経験と行動力がビジネス推進のきっかけに。スタイルクリエイト株式会社 代表取締役 麻生有花氏の起業ストーリー

福岡県で起業する女性をサポートする「Bloom福岡」では、県内で活躍する女性起業家を交えたネットワークや定期的な交流の場を設けています。今回はBloom福岡の運営事務局を務め、自らも女性起業家としてさまざまな苦難を乗り越えてこられた、スタイルクリエイト株式会社 代表取締役の麻生有花氏に、起業に必要なマインドセットや新しいことにチャレンジする際に大切な心構えなどについてお話を伺いました。

〜プロフィール〜
福岡県出身。2015年に個人事業主から法人化し、スタイルクリエイト株式会社を設立。自分自身が働きながら子育てをする中で感じた、社会や環境への違和感を課題と捉え、社会課題を解決できる企業を目指しています。女性が社会に出て輝き続けるためのフィールドを創造し続け、現在では、保育事業、教育事業、人材リソース事業、託児付コワーキングスペース運営など、幅広い事業を展開しています。


目次

事業内容について教えて下さい

弊社は「女性が、輝き続ける人生を」という言葉を企業理念に掲げ、保育園の設置運営や出張保育といった保育事業のほか、リスキリング事業や研修などの教育事業、福岡市の大名にある託児付きコワーキングスペース「CREATIVE ROOM」や「Bloom福岡」の運営などの創業支援・女性向けビジネススクール・就労就業支援事業などを行っています。

社名の「スタイルクリエイト」は、だれもが常識にとらわれることなく、その人がその人らしいスタイルをクリエイトし、生き生きと輝いてほしいという思いから生まれました。

スタイルクリエイト株式会社 9周年記念 集合写真

そのような思いで起業に至った経緯をお聞かせください。

現在行っている事業は、まさに自分自身が創業の際に女性ならではの壁にぶつかってきたからこそ生まれたものです。

私が起業したのは生活のためです。結婚し子どもにも恵まれましたが、幼いうちに離婚することになりました。小さな子どもを抱えて働かなければならない状況の中で、何社か採用面接を受けたのですが「子どもが小さいからすぐ休むでしょ」と言われ、思うような働き方ができなかったんです。それならと個人事業主になり、ウェディングプランナーや職業訓練校のスクールを開講するなどして働き始めました。

その後、再婚しましたが、二人目を出産するタイミングで夫の会社が立ち行かなくなり、産後0日から資金繰りのために、通帳を眺める毎日でした。すぐに仕事に復帰し、過去にアパレル業に携わっていた経験を活かして、EC事業をスタートさせました。これが好調に推移したことで、株式会社の設立を決意しました。

会社設立の際にも女性ならではの壁にぶつかったと伺いました。

起業後に離婚したのですが、ある金融機関に融資の相談をした際に「旦那さんがいないのにどうやって返すの」と言われたことがありました。そういった話があることを耳にしてはいましたが、実際に面と向かって言われるとやはりショックでしたね。他にも、女性だから、子どもがいるからという理由で、周りからチクチク言われることは数え切れないほどありました。思い出すのも大変なくらい・・・

また、当時は子どもが小さかったので、預ける場所がなかなか見つからなかったり、子どもが急な病気をした時にどうすることもできないという苦労もありました。

たくさんの壁に対して、どのようなマインドで立ち向かっていたのですか。

一人で子どもを育てると決意したときに強く思ったのが「子どもに選択肢を与えられない親になってはいけない」ということでした。シングルマザーだからできないと諦めるのではなく、子どもが「やりたい」と思ったことをやらせてあげる自分でいたいというのが、心の支えになっていたのかもしれません。2人の娘と両親、祖父母の存在が大きかったです。

そうした中で、現在の企業理念である「女性が、輝き続ける人生を」が生まれるきっかけとなった出来事があったそうですね。

お子様を持つ働きたい女性と企業をマッチングするというイベントに参加した際、とある女性に声をかけられたんです。事務職採用を望む参加者が多い中で、彼女は営業職を希望していて、唯一私にだけ「雇いませんか?」と自らを売り込みに来られました。

彼女はもともと有名な広告代理店で仕事をしていて、夫の転勤で福岡にやってきたそうです。仕事の実力には絶対の自信があるものの、3人の子どもを育てているというだけで、これまで採用面接で「コンビニやスーパーしか働けないだろ」と言われたり「万一のときに子どもを預ける人がいないからすぐ休むでしょ」「働く時間に制限があるだろう」と不採用にされたりしたのだそうです。

彼女の話を聞いてハッとしたんです。シングルマザーじゃなくても、私のように「しっかり働きたくても働けない」という想いを抱えている女性が、世の中にはたくさんいらっしゃるんだと。同時に、スタイルクリエイトはそうした課題を解消し、ライフステージに関係なく働ける環境を提供できるような会社を目指したいと強く思いました。

スタイルクリエイト株式会社 9周年記念 表彰式の様子

その女性との出会いが保育事業に取り組むきっかけにもなったと伺いました。

はい、その後、彼女には弊社で働いてもらったのですが、お互い子どもが小さかったので、事務所に連れてきていたんです。お互いに遊ばせながら働いているうちに、託児や子育て関係の仕事ができるんじゃないかと思うようになりました。

そこで福岡市に相談したところ、ちょうど国が企業主導型保育事業をスタートするということで、2017年に弊社として最初の保育園を開園しました。現在は福岡県内に5つの保育園を運営しています。

2021年4月にオープンした、福岡県内5つ目の保育園 からふる福岡東保育園

新たなビジネスのきっかけにもなったのですね。現在はどのような事業を展開されているのですか。

現在は保育事業を主軸とした事業展開を行っています。2022年には、それぞれがその人らしく輝き働ける場所として、託児付きのコワーキングスペースおよびサテライトオフィス「CREATIVE ROOM」をオープンしました。

また福祉・医療・保育事業に携わるエッセンシャルワーカーの教育事業にも着手しています。保育士の皆さんは、働きながら子どもを育てる上でなくてはならない存在ですが、人材不足や時流の変化によって、働き方が大きく変化しています。こうした方々に対する教育やリスキリングの事業を行うことで、働く人たちのさらなる質の向上を図りたいと考えています。

そのほかにも、保育園の関東進出や女性起業家に対するさらなる支援事業を視野に入れています。さまざまな形で企業理念である「女性が、輝き続ける人生を」を実現し続けることで、娘がこの先出産や結婚を経験したときに、プライベートに左右されない働き方が実現できる社会を目指していきます。

託児付コワーキングスペース&サテライトオフィス CREATIVE ROOM

ありがとうございます。
最後に、これから起業を考えている”女性”へ
伝えたいことはありますか。

これまでさまざまな女性起業家の方々を見て感じるのは、事業に対する思いやブレない軸があるかどうか、目標に向かって諦めずに行動できるかどうかが、その後を決定づけているのではないか、ということです。

例えば新しいビジネスを思いついたとして、私の周りの女性起業家の方々は、それを頭の中だけにとどめているのではなく、周りに相談できる人がいないか探したり、なんとかツテを作ろうとしたりするんです。

そういうアクションができるかどうか、諦めない推進力を持っているかどうかが、起業においては大きなポイントになると思います。ぜひ皆さんも、目標の実現に向けて、まずは動いてみてください。


Bloom福岡では、麻生氏をはじめとした女性の先輩起業家との勉強会・交流会など、本気で起業したい皆さんをサポートする仕組みを整えております。気になる方はぜひLINE公式アカウントを友だち登録し、参加してみてください。

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■会社概要
会社名:スタイルクリエイト株式会社
https://stylecreate.jp
設立:2015年
代表:麻生 有花

■事業内容
・保育事業(保育園の設置運営・出張保育・ベビーシッター)
・教育事業(リスキリング事業・研修)
・人材リソース事業(創業支援・就労就業支援)
・自治体向け・法人向けサービス

■問い合わせ先
以下より問い合わせをお願いいたします。
https://stylecreate.jp/contact/

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