一歩引いたところから自分のビジネスを俯瞰する。合同会社ヨハクデザイン代表 西田明紀氏の起業ストーリー

福岡県で起業する女性をサポートする「Bloom福岡」では、県内で活躍する女性起業家を交えたネットワークを作り、定期的な交流の場を設けています。今回は、この「Bloom福岡」に賛同いただいている県内の女性起業家である、合同会社ヨハクデザイン代表の西田明紀氏に、起業に必要なマインドセットや新しいことにチャレンジする際に大切な心構えなどについてお話を伺いました。

〜プロフィール〜
久留米市生まれ。外資系や国内大手・地域企業、大学や地方自治体など、自分自身の多様な組織での実践をベースに、リクルートグループ等で多くの企業の組織に携わりました。その経験から、企業や自治体のアドバイザリー業務や、経営幹部〜若手までに響く、地域性や業界特性を踏まえ多様性・ダイバーシティを力に変えるコミュニケーションやマネジメントを楽しく学ぶセミナー等を行っています。


目次

事業内容について教えて下さい

様々な組織文化や業界経験から、事業戦略や組織、個人のキャリアの余白を引き出す支援、アドバイザリー業務を行っています。

起業に至る経緯を教えていただけますか。

外資系や国内企業などを経て2014年に個人事業主として活動するようになり、週の半分は短期大学の専任教員、その他の時間で福岡のシンクタンク系のフェローとしての活動、個人での講演・研修などを行っていました。その後、以前いた企業の関連企業からお声がけがあり正社員として仕事をしていたのですが、2020年に退職し合同会社ヨハクデザインを立ち上げました。

法人にしたのは、コロナ禍を迎え社会のパラダイムが大きく変革するだろうと思ったときに、自分も変わろうと思ったのが主な理由です。

多様な分野の事業に関わっていらっしゃるんですね。
中にはチャレンジしたことのない分野もあるのですか。

自分に多様性を持ち社会に貢献したいと考えているので「チャレンジしたことのないお話をいただいたら、まずやってみる」ことを心がけています。
これまで数回転職をしてきましたが、動機は同じでした。キャリアのはじめはITエンジニアでしたが、転職で営業職にチャレンジしましたし、次はエネルギー業界という全くカルチャーが異なるところで働いたり。

その後、MBA(グロービス経営大学院 福岡校)を立ち上げる経験をしたのですが、その時も「大変そうだけど面白そう、やったことがないからやってみよう」という気持ちでした。何より福岡に学びを軸にした多様な方が集うコミュニティを作りたかったのも大きいです。

起業も同じですね。やったことがないからこそ、まずは飛び込んでみるという好奇心を大切にしています。

新しいことにチャレンジする際に、
心配や壁を感じることはありませんか。

基本的にあまりありません。いつも新しいことばかりなので、壁が日常というか。大変なことがあっても、それが日常になっているので、割と落ち着いているのかもしれません。チャレンジしながら新しいことを学べるのは幸せな環境だと思っています。

例えば行政未経験ながら佐賀県上峰町の副町長を務めさせていただいたときも、きっとこれまでの自分にとって想定外のことばかりだろうなと思っていました。実際に想定外のことも多かったですが、そういう心持ちでいたので「想像と違って辛い、大変」などのメンタルにはならなかったですね。

「想定外のことしか起こらない」というマインドでいることは、起業するうえでも大切ではないかと思いました。
そのような心持ちでいるために必要なことは何でしょう。

視座を高めて物事を俯瞰することは、多様な方と仕事で接する上で大切だと思います。
例えば20代の女性が歴史の古い企業へ営業に行ったとして、70代の社長が出てきて想定外のことを色々言われたとしますよね。女性がそれを「等身大の自分の価値観」を通してだと驚くことがあるかもしれませんが、70代社長の生きてきた価値観、視座を想像して訪問するとある程度心構えができますし、じゃあその方に営業活動するならどんなアクションが必要なのか考えれば、色々アイデアや対策が出てくると思います。

自分だけの狭い常識で考えると、傷つくことや壁に感じることが多いかもしれませんが、客観視して行動することで乗り越えられることは意外と多いと思います。

これはビジネスを成功させるという文脈でも同じことが言えるかもしれませんね。

そうですね。自分がいいと思ったものや、自信のあるもので起業したものの、うまくいかずに悩んでいる方の場合、社会全体のシステムの中で、自社のサービスや商品を俯瞰してみることをお勧めします。

私が社名を「ヨハク(余白)デザイン」としたのは「余白」の部分に目を向けていくことで、ビジネスの可能性が無限大に広がると考えているからです。それは商品かもしれないしマーケットかもしれません。何より経営者自身や社員という人の可能性も無限大です。あらゆる物事を、もっと自分が認知していない余白を見て、30cmでも軸足をずらせば、見える景色や可能性は広がるのではないでしょうか。

これから起業・創業を考えている女性に伝えたいことはありますか?

これから起業される方は、ぜひご自身のやりたいことにどういう価値があるのか、どんな人に届けばいいのかを、ご自身よりも外側から見つめてみてください。より良いものになるのではないかと思います。例えば事業計画を作ってみたり、全く関わりのない業種の方とのネットワークを形成して、その視点から自らの事業を俯瞰してみると、新しい視点や余白が見えて、自分がやりたいことや起業の内容がもっと立体的に見えてくるのではないかと思います。


Bloom福岡では、西田氏をはじめとした女性の先輩起業家との交流も図ることができるなど、本気で起業したい皆さんをサポートする仕組みを整えております。気になる方はぜひLINE公式アカウントを友だち登録し、参加してみてください。

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■会社概要

会社名:合同会社ヨハクデザイン
https://yohaku-design.com
設立:2020年
代表:西田明紀

■事業内容
・エグゼクティブコーチング・社外役員
・HRアドバイザリー・社外人事
・採用戦略支援・組織開発
・研修設計・人材育成

■問い合わせ先
以下より問い合わせをお願いいたします。
https://yohaku-design.com/contact/

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